イチジクの一文字仕立てについて

こんにちは。大阪のイチジク農家「ハッピーファーム」です。

この一文字仕立てについての記事がよく見られているようなので、少し再編集しました(2023/6/11)

今日はイチジクのオーソドックスな仕立て方「一文字仕立て(いちもんじしたて)」について書きます。

これが一文字仕立て。植えて2年目の樹です。
目次

なんで一文字(いちもんじ)?

漢数字の一(1)の形に枝を広げるため、一文字仕立てと言います。春になると、この一文字のいろんなところから芽が出て、上に枝を伸ばしていきます。

いちじくの芽吹き
一文字仕立てで剪定した箇所から芽吹いた様子。ここから枝を上に伸ばしていきます

そのほかにも仕立て方はあります

ほかの仕立て方には、「開心自然形」、「盃状(はいじょう)仕立て」(放任仕立てという人もいます)や、珍しいものだと「棚仕立て」、あとは枝一本だけを伸ばす「ポット栽培」などがあります。ほかにもいろいろあります。が僕は今のところこれらしか見たことがありません。

  • 一文字仕立て(または一文字整枝)
  • (上の派生形で、十文字仕立て)
  • 杯状仕立て(またはゴブレット)
  • 開心自然形(イチジクではあまりやらないと思いますが・・)
  • 棚仕立て
  • ポット栽培(またはコンテナ栽培)
杯状仕立てのイチジクの芽吹き。かわいらしいです
こういう風に頭上からイチジクが垂れてくるようにするのが棚仕立て。

一文字仕立ての特徴は?

果樹では珍しい仕立て方ですが、イチジクではいたってポピュラーな仕立て方なこともあって、メリットが多いです。

  1. 畝に沿って移動しながらの収穫や管理作業がしやすい
  2. どの枝も日光がまんべんなく当たりやすいので、色づきがいい
  3. 風通しが良いので病害虫につよくなる

一番のメリットはなんといっても収穫作業がしやすいこと!毎日収穫しないといけないイチジクでは、とっても重要なポイントです。

収穫風景
このように畝に沿って枝が揃うので、収穫作業をやりやすいのがメリットです。

とは言えデメリットもあります。

  1. 地面と水平に伸ばした主枝に凍霜害を受けやすい
  2. 樹の勢いが強くなる(無理やり水平に主枝を伸ばすので反動で暴れやすい)
  3. 下の方の果実は日当たりが悪くなる

特に凍害が結構悲しいです。その対策方法もいくつかあるので、それについてはまた改めて書こうかと思います。

一文字仕立ての仕立て方

やり方は産地によると思うのですが、私が知っているやり方2種類を紹介します。

  1. 主枝(漢数字の「一」の部分)となる2本の枝を伸ばして
    • A)水平に這わせた誘引線(またはパイプ)に成長に合わせてこまめに誘引する
    • B)1年目は斜め45度にY字に伸ばし、十分に枝が硬化したら曲げたいところにノコギリで下半分を切り曲げれるようにして、水平に誘引する

まず主枝となる2本の枝を伸ばすまでは一緒なのですが、その後の段取りが違います。主枝に傷をつけたくないならA、主枝を太く・真っすぐにしたいならBの方法です。

ちなみに私は主枝を傷つけたくないので、Aの方法をとっています。大阪羽曳野はこのやり方をされている方がほとんどです。ですが産地によっては、というか教科書的にもBがポピュラーかも。でも個人的には大事な主枝にのこぎりを入れたくありません・・。

下の写真はAのやり方で一文字仕立てにして3年目の樹。主枝を成長に合わせて何度かに分けて誘引するので、少々クネクネと曲がりますが、あまり困っていません。

一文字仕立ての芽吹き

あ、そろそろ誘引用の針金を撤去しなきゃ・・

一文字仕立ての芽吹き

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