いちじくの廃棄枝を炭にして、土づくりに役立てています

炭のチカラで育てたさつまいも「福めぐり」
目次

「福めぐり」に込めた思い

取り組みの概要

いちじく農家がとても多い大阪羽曳野市(大阪府はいちじく生産量3位)。地域の課題として、毎年大量に廃棄処分されているのが、いちじくの枝です。

そこで私は、その廃棄枝を炭にして、さつまいもの土づくりに役立てることにしました。

メリットは主に3つです。詳しくはのちほど説明しています。

  1. 廃棄物を有効活用できる
  2. 土が豊かになる
  3. 地球温暖化ガスの削減につながる

「この取り組みをもっと多くの方に知ってもらい、日本中に循環の取り組みを広げていきたい」

そう考え、クラウドファンディングを2022年9月に立ち上げました。(現在は募集終了しています。多くのご支援ありがとうございました!)

ブランドネームと、そこに込めた思い

この取り組みによって、様々な方が幸せになると考えています。まず、いちじく農家は処分に困っていた枝を活用できます。お客様には美味しいさつまいもをお届けできます。そして温室効果ガスを削減して、より良い環境を未来の子供たちへと繋ぐことができます。
様々な「福」が巡りめぐっていくように、との願いを込めて「福めぐり」が誕生しました。

ブランドロゴマークに込めた思い

目指すのは、「贈答品に、未来へつなぐ循環型農産物」という文化。いまはまだ、あまり馴染みのない文化かもしれません。

ですが、大切な方に贈ることが、地球の未来のためにもなるとしたら、素敵だと思いませんか?

そんな、贈る人・贈られる人・生産する人・そして地球に住むすべての人が幸せになれる。そんな「幸せが循環する素敵な未来をつくりたい」という願いを、デザイナーに表現してもらいました。

さつまいも品種ごとに展開します

「末永く」を意味するあわじ結びという水引きをモチーフに、地域資源を循環させることで美味しいさつまいもができるというストーリーが、ロゴマークに表現されています。

取り組みの詳細

いちじくの廃棄枝を再利用

地域の特産であり、ハッピーファームのメイン作物でもある「いちじく」。毎年、収穫を終えると枝の剪定(せんてい)作業が必要です。当園だけでも毎年1tほどの枝が廃棄になり、地域のいちじく農家さんも処分に困っているのが現状です。「これらを何かに活かせないか?」というのが私たちの課題でした。

いちじくの廃棄枝
一つの畑でも軽トラで何度も往復しないと積み込めない量。通常は焼却処分されています。

そこで私が考えついたのが、廃棄枝をバイオ炭(簡単に言うと木炭)にして、土壌改良剤としてさつまいも畑に再利用することでした。

バイオ炭をさつまいも畑に入れるメリット

その1.美味しいさつまいもをたくさん作ることができます。

その2.地域資源を循環させることができます。

その3.温室効果ガスを削減することができます。

美味しいさつまいもをたくさん作れる

すくすく大きく育つさつまいも

さつまいも畑に木炭を施用すると収穫量が向上し、秀品率(形が良い芋の割合)が上がったという研究結果があります。

炭のチカラで土壌水分をバランスの良い状態に保つことができ(排水性と保水性が向上すると言われています)、さらに炭の微細な空間に酸素をため込むこともできるので、作物の根の呼吸を助けるなど、土壌環境を改善することができます。土壌微生物も増えるため、土を健康にすることができ、美味しいサツマイモをたくさん作ることができます。

地域資源を循環利用できる

通常は焼却処分されているいちじくの枝ですが、専用の炭化器によって炭にすることで土壌改良剤として再生することができます。また、炭は土壌改良剤以外にも消臭や井戸水の浄化、焼き芋の燃料など様々に利用できます。地域資源を循環利用することで、廃棄物の削減や自然環境の保全にもつながります。

温室効果ガスを削減できる

植物は光合成などによって二酸化炭素を吸収して成長しますが、その成長過程でため込まれた炭素は、やがて分解されて再び二酸化炭素として大気中に放出されてしまいます。しかし、炭にすることで、植物がため込んだ炭素を分解しにくい形に固定でき、二酸化炭素の排出量を削減することができます。

結果的に、いちじくの枝を炭として再生利用することで、わずかですが地球環境への負荷を軽減することができます

炭化器で炭を作っている様子。通常は燃え尽きて灰になるが、9割以上が燃え尽きずに木炭になります。
出来上がったいちじくのバイオ炭

夢は、「福めぐり」でさつまいも畑を広げ、農地を守っていくこと

全国的に農家の高齢化後継者不足が問題になっています。ここ羽曳野市でも、管理をし続けていくことが難しい畑がでてきました。ハッピーファームは小さな農家ですが、この取り組みを広げることで、さつまいもを地域の新たなブランド農産物に育ち、地域の農地を後世につなげていくことが目標です。九州や茨城といった産地に負けないように、羽曳野市の環境に適した品種や栽培方法を試行錯誤しながら、地域も巻き込んでこれからも取り組んでいきます。

「福めぐり」は通販でご購入できます

「贈り物に、未来へつなぐ循環型農産物を。」

大切な方に贈ることが、地球の未来のためにもなるとしたら、素敵だと思いませんか?

そんな、贈る人・贈られる人・生産する人・そして地球に住むすべての人が幸せになれる。循環型さつまいも「福めぐり」は11月~12月のわずか2か月間、通販で限定販売しています。羽曳野の恵みたっぷりのお芋をぜひ、大切な方へ贈ってみてはいかがでしょうか。

循環の取り組みの詳細はこちら

さかいSDGs推進プラットフォームに参加しています

ハッピーファームは大阪府堺市による企業・団体・地域の人たちと連携し、SDGs達成に向けた取組を推進するためプラットフォームに参画しています。会員の方々と情報共有や交流をし、持続可能な社会の実現に向けて活動しています。
詳細はこちら(https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/sdgs/sakaiSDGsplatform/index.html)

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