よくあるやりとり
黒いちじくってどんな味なん?
黒いちじくと一言にいっても品種によって違うので・・
うちの黒イチジク「ビオレソリエス」はねっとり濃厚芳醇、
「久留米くろみつ」は甘いけど後味アッサリですよ
あ、そうなんだ(もっとシンプルに教えて)
このやりとりがあるたび毎回、なんだか腑に落ちない思いをする園主です。こんにちは。
だって「黒いちじく」って言っても見た目で勝手にジャンル分けしてるだけで、原産地も味も大きさも果肉の色も採れる時期だって品種ごとにぜんぜん違うんだもの!
というわけで、ちょっと黒いちじくってどのくらいの種類があるのか調べてみました。(2024/1/20時点)と言っても私も全部食べたり見たりしてるわけでないので、「いちじくwiki」を参考にした(引っ張ってきた)だけですが・・。一部、個人的に違和感あるものもありますが、色談義したいわけではないので私個人的な分類はしてません。
ご興味のある方はぜひ最後まで読んでください。一番最後に、いちじくのいろんな品種を紹介しているサイトをいくつか紹介しますね。楽しんでいってください。
黒いちじくの品種
苗木がわりと手に入りやすい黒いちじく
これらはホームセンターや園芸店などで販売されています。少し大きめのところだと複数種類がたくさん販売されてることも。苗木を買うなら11~1月くらいが狙い目ですよ。
- ブラックミッション
- カリフォルニアブラック
- ネグロラルゴ ⇐当園も栽培しているブルジャソットグリースとシノニム(遺伝子上は同一)らしいです。えっマジで・・
- ネグローネ ⇐差別用語とされ別名になることもあるらしいです。あとビアーズブラックとシノニム(遺伝子上は同一)という説も。
- ヌアールドカロン ⇐商標登録されてるので、別名「ドカロン」などで売られてることもあります。
- パスティリエ
- ロンドボルドー
- サルタン
- ビオレソリエス ⇐当園で果実取り扱いしてます。苗木は販売してません
- 久留米くろあま
- 久留米くろみつ ⇐当園で果実取り扱いしてます。苗木は販売してません
苗木が手に入りやすい品種だけでも、黒いちじく11品種ですね。
販売用に栽培している農家さんはほとんどいないので、果実は手に入りにくいと思います。それぞれの黒いちじくを食べてみたい方は、通販で根気よく探されるか、あと新宿伊勢丹でも購入できるみたいですよ。
なお当園で販売しているのは今のところ、ビオレソリエスと久留米くろみつだけです。
(あとネグロラルゴ=ブルジャソットグリースだとしたら、これもですね。いま調べて初めて知ってちょっと衝撃を受けました。でもネグロラルゴで調べて出てくるデータと、少なくとも手持ちのブルジャソットグリースとは果重や色味が違うんだけどな・・枝変わりで突然変異でもしたのかも)
苗木の購入が難しい黒いちじく
これらはオークションサイトやかなりマニアックな園芸店などでしか販売されておらず、ヤフオクとかだと高騰しやすい黒いちじくです。
私もいくつかの品種はひっそりチャレンジしてます。ただ、かなりレアなので偽物の苗木とかも平気で流通してます・・・数年かけて一生懸命育てて果実ができたら明らかに違うこともあります・・哀しい。
- アビク
- ビアーズブラック ⇐上で紹介した「ネグローネ」とシノニムという説があります。
- レディーブラック ⇐「レディー」シリーズは苗木屋でもよく見ますが、レディーブラックはかなりレア
- LSUパープル
- ノワール ド バルバンタイン
- アゾレスダーク
- ブラックマデイラ
- ボルディソット
- ネグラ
- クレイヴンズ
- クレービング
- ブラッククロス
- ガリシアネグラ
- ジェノベーゼ ネロ
- ハーディーシカゴ
- イタリアン258
- LSUスコッツブラック
- マルタブラック
- マルティス ビューティ
- ミチュリンスカ テン
- ネロ600m
- ラズベリーラテ
- ソコロブラック
- ザフィーロ
以上で、苗木の購入が難しい黒いちじくは24品種でした。ちなみに私が食べたことない品種が半分以上を占めてます。。まだまだ精進やなぁ。
集計結果
集計したところ、日本に入ってきている(と思われる)黒イチジクは合計で35品種でした。それぞれの品種の詳細を知りたい方は、いちじくwikiさんをご覧になってください。
ですがこれらはまだまだ一部で、世界には全部で1000種以上のいちじくがあるとされ、ちょっと乱暴ですが果皮の色を4種類(黄色・黒・赤・その他の色)として考えれば、250種くらいの黒いちじくが世界に散らばっているのでは?とも考えられます。
いちじくの世界、かなり沼ですよ。ハマる際はお気をつけてくださいね。
いちじくの品種を紹介しているサイト
さいごに、いちじくの多様な品種を紹介しているサイトを紹介します。色々読みふけってみると、いちじくの奥深さを知れて楽しいと思いますよ。
苗木探しにはご注意を
いちじくの苗木の購入ですが、偽物が出回っていますのでご注意ください。園芸店やプロの苗木屋さんですら、まれに偽物をつかまされているぐらいです。
また、「レアな品種=高い=美味しい」とは限りません。私自身、色々ないちじく品種を食べてみて、今では一周まわって「一般的な桝井ドーフィンも美味しいやん」となってます。味わいは品種の差も大きいですが、作り手やその年の天候、栽培環境、また採り時が味わいに与える影響が大きいフルーツなのが、いちじくです。
ぜひそういった点も考慮して、いちじく沼へどっぷりとお浸かりくださいね~
気軽にコメントしてください~
コメント一覧 (3件)
因みにソリエスは売れる為に黒イチジクになってますが、品種名に紫とあり系統だと赤イチジクなので黒イチジクとは違います。
基礎知識だとイチジクの樹の系統は、緑・黒・赤の三種類、皮の系統もそれに順じてましたがここ数年で分かれてます。久留米シリーズは商標登録品種ですか1本の苗に1つの正規ラベルが必須条件となってます、イチジクトリオと顧問弁護士でとりきめたとか。一応自家繁殖や苗や穂の販売や譲渡は禁止って事になってるって言ってました。
くろあまさん、コメントありがとうございます!
ご指摘のとおり「violette」なので紫ですね!ただ、記事や当園では一般の方にもわかりやすいよう「黒」として取り扱っています。お客さんとのやりとりでは情報量が多すぎるので・・
赤系統なのは知らなかったです。そういえば、未熟果の色づき方が久留米くろみつと少し違いますね。赤から生まれた黒(濃紫色)、なんだかそれもロマンありますね。
久留米シリーズのお話は聞いたことがあります。なのでうちも増殖・譲渡はしていません。でもヤフオクではちょっと名前を変えて出されてる?ようなものを見かけることがあります。いちじくの世界は奥も闇も深いですよね。遺伝子上同じ品種でもいろんな名前をつけられてるので、ますます深いです。