イチジクに関する記事

いちじくの実が熟しない!?落果しちゃった!?いちじく農家が考える落果の理由10選

先日、このホームページに「いちじくの実が落ちてしまいますが理由なんですか?」と問い合わせがありました。

私はいちじく農家ですが栽培指導等はやっていません。普段ならお断りしてしまうのですが、興味深いテーマだったのでちょっとだけ勉強・情報整理してお返事しました。

せっかくなのでブログにも残しておきますね。多分同じように困ってるイチジク好きな人まだまだいらっしゃると思うので。

とはいえ、私たちの畑の管理等で忙しいので栽培指導のお返事できない場合もあります・・。

いちじくの実がならない!実はついたけど黄色くなったりシワシワになって落ちてしまう!その理由とは?

1.水不足(乾燥しすぎ)

水分が不足すると、樹が生きるために実から水分を一時的に吸い取る場合があります。水分が不足してる場合は、葉が日中しおれたり、葉の一部が枯れたりします。

対処法:葉や土の様子を見て、適度に水やりをする

発生しやすい環境:鉢植え、水はけの良い畑、猛暑が続いたとき

2.光不足

ベランダや庭等で栽培しているときに起こりやすいです。現に私自身も農家になる前ベランダで大鉢で栽培していたいちじくは2年間一度も結実せず、日当たりの良い畑に地植えした瞬間にたわわに実りました。

対処法:朝~夕方までの日の当たり具合などを見て、できれば一日中、光のあたる場所へ移動させてあげる。

発生しやすい環境:ベランダ、中庭など日当たりの悪いところ

3.肥料不足

養分が不足しすぎていても果実が実りません。趣味で栽培されている方の場合、どちらかというと過保護な方が多く、次の理由の方が多いんじゃないかと考えられます。

対処法:様子を見ながら少しず即効性の肥料(化成肥料など)をあげる

発生しやすい環境:鉢植え、砂地土壌の畑

4.着果後の肥料過多

着果後に肥料をたっぷり入れてしまうと、生殖生長(花や実をつけるモード)から栄養成長(葉や茎をのばすモード)に戻ってしまうことで落果してしまうことがあります。いちじくや果樹類に限らず、果菜類(ナスやトマトなど実をつける野菜)でも同じです。

対処法:今シーズンは肥料をあげるのをやめてみる

発生しやすい環境:鉢植え

5.たまたま落果してしまった

病気や害虫・鳥などの食害、キズ、不良果など様々な理由で落果してしまうことがあります。この落果率は品種によってなんとなく異なりますが、着果率の高い桝井ドーフィンでさえ100%は着かず多少は落下します。

対処法:気にせず長い目で次の果実が熟するのを待つ

発生しやすい環境:とくになし

6.夏果だった

いちじくは果実の実るタイミングが2回あり、それぞれ夏果・秋果といいます。

去年伸びた枝の部分(葉がないところ)に春頃から実がついていたら、それは夏果になります。夏果は落果しやすい特性があります。

今年伸びた枝の部分に実がつくのが秋果です。通常はこちらを収穫します。(桝井ドーフィン、ブルジャソットグリース、ビオレソリエスなど)

なお少し特殊ですが、秋果専用種としては代表例としてキングなどがあります。

夏果が巨大で有名なバナーネも、秋果のほうが収穫量は多く、営利栽培だと通常は秋果のみ収穫します。

ですので、もしキングなどを栽培しているのでなければ、枝の葉がないところに果実がついていたら、高い確率で落果します。そういうものだと割り切ってください。

対処法:秋果がたくさん実るように冬に剪定をして切り戻す。夏果は熟成したらラッキーぐらいに考えておく。

発生しやすい環境:剪定をしていない

7.樹が小さい、弱い

樹が小さいうちは実が着いてもそのまま熟成させる体力がなく、落果してしまうことがあります。また病害虫などで弱っている樹も、果実が膨らまずに落果してしまいます。

対処法:鉢植えなら大鉢に植え替える。個体差でもともと弱い樹の可能性もあるので、その場合は諦めて新しい苗を買う。

発生しやすい環境:鉢植え、水はけの悪い土壌、若い樹(1~2年)

8.根が弱っている

モグラ、ネズミ、水はけが悪い、株枯病など様々な要因で根が弱っていると、落果してしまいます。

対処法:根が弱っている原因を取り除く(排水対策、モグラ対策など)。株枯病なら・・諦める。

発生しやすい環境:水はけの悪い土壌など

9.枝をたくさん伸ばしすぎている

だいたい半径20~30cm程度の間隔は必要になります。(できれば40cm以上)また、鉢植えだと根の量が限られるので枝の本数も制限した方が良いです。(30Lコンテナ栽培なら結果枝は1本ないし2本まで)

対処法:根量に合うように結果枝を制限し、風通し日当たりをよくする。

発生しやすい環境:剪定や芽かきをしていない

10.じつは品種がスミルナ種

最後に一番いやなパターン。〇〇という品種だと思っていたら、じつは偽物などでスミルナ種という「イチジクコバチ」の助けによる受粉がないと果実が完熟しないパターンです。

私も痛い目にあいました。ダルマティだと思って買った苗が、旺盛に枝が伸びて着果もたくさんしたのにすべての果実が落下しました。品種の同定はしていませんが、落果数1000玉、落果率100%はさすがにスミルナ種としか思えず抜根しました・・。

対処法:諦めて別のところから苗を買う。

発生しやすい環境:珍しい品種を買った場合(いちじくの珍しい品種は偽物苗が出回りやすいです)

とはいえ落果しても、慌てないことが大事です

私に限らずほかのプロいちじく農家さんも、多少は落果します。生理的なシワシワになって落ちたり、病害で落ちたり、カラスなどにつつかれて落ちたり、いろんな理由で。

なので多少は落下しても、まだ残ってる実を楽しみに待つのが精神衛生上よろしいと思います!

まとめ

栽培環境ごとで発生しやすいのは以下の感じです。

  • ベランダや中庭⇒光不足
  • 剪定していない⇒枝を伸ばしすぎ、樹が小さい
  • 鉢植え⇒水不足・肥料不足または過多、根が弱い(鉢が小さい)
  • 畑に地植え⇒夏果またはスミルナ種

そのほか、落果してしまういちじくの病害として、以下のようなものもあります。

  • 疫病
  • 株枯病
  • 黒かび病
  • 炭疽病

あと、ちょっとくらい落果しても残ってる実を楽しみに気長に待つのが大事です!

この記事がいちじくの落果でお悩みの方の参考になれば幸いです!

yoshikawa

Share
Published by
yoshikawa