いちじくは冷やした方が断然甘い!?その理由を調べてみました

いちじく(パック)

こんにちは、大阪のいちじく農家ハッピーファームです。

いちじくは冷やすと美味しさが増すフルーツです。冷やすと甘くなる、その理由を記事にしました。調べてみたら面白かったので、ぜひ楽しんでいってくださいね。

目次

家の冷蔵庫で一晩置いたいちじくの方が甘みが増してる気がするなぁ

わたしは農家なので、樹上で採れたての超完熟いちじくを畑でそのまま食べることもよくあります。それはそれで本当に格別の美味しさなのですが、そんな贅沢な生活が何年も続いていると、ふと疑問に思うことも出てきました。

「家の冷蔵庫で一晩置いた売れ残りいちじく、昨日より甘みが増してる気がするなぁ」

去年までは「いや採れたての方がぜったい美味しい」と信じて疑いませんでした。(※植物生理上、収穫後も果実は呼吸によって自身の糖分を消費してしまいます)

ですが、妻も同じことを言うので私の勘違いでもないようです。色々と調べてみたら面白いことがわかってきました。

完熟になったいちじくを畑で食べられる(品質確認)。至福のひとときです
朝食で食べる、冷蔵庫で一晩置いたいちじく(売れ残り)。売れ残りなのに美味しいのはなぜ?

色々しらべてみた

わかったこと1:糖質の種類によって、甘さの感じ方が変わるらしい

じつは一言で「糖」と言っても、3種類の糖質に分類できるんです。それが、ショ糖(スクロース、砂糖)、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)です。

これらの糖分バランスと酸味や香り、食感などが合わさって果物の味が決まります。(あとどんな状況で食べたか、も大事ですね。大切な方と素敵なお店で食べたとか)

そして甘みの感じ方はそれぞれの糖質ごとに違うということが、今回の話のポイントになります。それが下の2つの表です。

人間が甘みを感じる度合い
ショ糖100(基準値)
ブドウ糖70
果糖80~150
それぞれの糖によって甘みの度合いが変わります

上の表にもあるように、ショ糖の甘みを100%とすると、同じ量のブドウ糖は70%、果糖は80~150%になるそうです。同じ糖分なのに糖質によって甘みの感じ方が異なるって面白いですね。

仮にブドウ糖10%入れた砂糖水を舐めたときよりも、果糖10%の砂糖水を舐めると、場合によっては果糖のほうが2倍くらい甘みを強く感じるということになります。

わかったこと2:果糖は温度によっても甘さの感じ方が変わるらしい

また、とくに果糖は温度によって分子構造が変わり、甘さの感じ方が異なるそうです。具体的には、下の表になります。

温度による割合の変化
果糖α型高温で増える
果糖β型低温で増える。α型の3倍甘みを感じる
さらに果糖は温度によって甘みがかなり変化します

このように果糖にはα型・β型という分子構造のパターンがあり、温度によってこの割合が変化します。低温で増える果糖β型の方が、α型よりも3倍甘く感じることもあり、果糖が多く含まれるフルーツは冷やすと甘みが増す、ということにつながるのです。

※単糖とか多糖とか糖アルコールとか、かなり奥深すぎる世界なので、浅めの知識で語ることご容赦ください

いちじくが冷やすと甘くなる理由

いちじくの糖の割合:果糖が多い⇒だから冷やすと甘みが増す

いちじくの糖分の割合はブドウ糖が最も多く50%以上、果糖が40%以上、ショ糖が残りの数%という割合です。(品種によっても多少異なります)

つまり、いちじくには果糖が多く含まれるから、冷やした方が甘みが増すんですね。

(参考)そのほかのフルーツの糖質の割合

(数値は大まかなので、参考程度にしてください)

  • バナナ:ブドウ糖10%、果糖10%、ショ糖50%、その他20%
  • りんご:ブドウ糖10%、果糖45%、ショ糖35%、その他10%
  • キウイ:ブドウ糖35%、果糖35%、ショ糖10%、その他10%
  • パイナップル:ブドウ糖15%、果糖15%、ショ糖70%
  • ブドウ(巨峰):ブドウ糖45%、果糖50%、ショ糖5%
ブドウ糖果糖ショ糖その他
いちじく50%以上40%以上数%
バナナ10%10%50%20%
りんご10%45%35%10%
キウイ35%35%10%10%
パイナップル15%15%70%
ブドウ(巨峰)45%50%5%
この表から見ても、いちじくの果糖率が高いことがわかりますね。

上の数字から言うと、例えばバナナやパイナップルは冷やしても甘くならず、果糖の割合が多いりんご・キウイ・ブドウは冷やした方が甘みが増すということが科学的に言えると思います。確かにリンゴもキウイもブドウも冷蔵庫で冷やして食べるなぁ。

じゃあ売れ残りの方が美味しいの?・・いや多分ちょっと語弊があります

売れ残りが美味しいというと語弊があって、「冷やした状態で食べるから甘みが増す」という事実があるということだと思います。

教科書的にも歴史的にも、いちじくは追熟をあまりしない農産物と言われています。また植物生理の理屈から言えば、収穫後に時間がたつほど自身の呼吸によって糖分が失われ甘さが減っているはずです。

※さつまいもは理屈が少し違って、追熟させた方が甘いお野菜です。この理屈は、芋類などデンプンの多い農産物は、収穫してから日が経つごとにデンプンが糖にかわり、呼吸で消費される糖を上回るために甘みが増します

なので、これまでの理屈からいうと、甘さは下のような順番になるんだと思います、、たぶん・・実験してみないとわかりませんが。

  1. 当日採れたてをしっかり冷やして食べる
  2. 収穫して冷蔵庫で数日寝かしたいちじくを食べる
  3. 当日採れたてを常温で食べる

余力があったら今年ためしてみて、また結果報告しますね。忙し過ぎて忘れてたらすみません。

おまけ:いちじくは血糖値が上がりにくい?

果糖はショ糖やブドウ糖に比べ、食後の血糖値の上昇が緩やかです。上述したように、いちじくは果糖が多く含まれ、ショ糖は少ないフルーツです。

また、いちじくには「ペクチン」と呼ばれる水溶性食物繊維も豊富に含まれています。

これらのことから、食物繊維と果糖を多く含むいちじくは、甘さの割には血糖値の急な上昇が控えめだと言えるのではないでしょうか。医学知識はないので保証はできませんが・・

まとめ

糖質にはいろいろな種類があり、なかでも果糖は冷やすと甘みが増す特性があることがわかりました。そしてその果糖が多く含まれていることが、いちじくを冷やすと美味しくなる理由なんですね。

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当園では樹上で完熟したいちじくだけを朝採りし、ふわふわの果実が痛まないよう専用の包装で当日クール便で発送しています。自慢の一品をぜひご賞味ください!良い感じに冷えて甘さの増した、超食べごろの完熟いちじくが食卓に届きますよ~

参考URL

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